長期優良住宅とは良いところ、大変なところ
マイホームを探している時や、家を建てようとするときに長期優良住宅という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
その名のとおり、長い間快適に住めるいい住宅ですよというものですが、一体どのような住宅なのでしょうか。
長期優良住宅とは
平成21年(2009年)6月に「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が施工されました。
住宅を長持ちさせる基準を設け、その基準を満たした住宅が長期優良住宅として認定をうける事ができます。
〈長期優良住宅の認定基準〉
劣化対策
「数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できること」構造躯体が100年程度の期間、使用できることと。
耐震性
建築基準法で想定する1.25倍の地震でも倒壊しないこと。性能評価の耐震等級2に相当。
維持管理・更新の容易性
内装や設備について、維持管理(メンテナンス)のしやすさを考慮している。
可変性(マンションのみ)
リフォームやリノベーションのしやすさを考慮している。
間取の変更のしやすさを考慮している。
バリアフリー性
高齢者や車椅子が生活をしやすいように設計していること。
省エネルギー性
省エネルギー性の高い住宅であること。性能評価の省エネルギー対策等級4に相当。
居住環境
街並みにあった良い外観であったり、建物の周辺環境が良好であること。
住戸面積
地域によって異なる場合もありますが、一戸建てであれば75平米以上、マンションであれば55平米以上
維持保全計画
構造耐力上の主要な部分や雨水の侵入を防止する部分、給排水設備について点検の時期や内容を決めておきます。
少なくても10年ごとに点検を行います。
長期優良住宅の税制優遇
長期優良住宅では一般の住宅と比べて住宅ローン減税や登録免許税・固定資産税などの軽減効果が大きくあります。
所得税の住宅ローン控除
長期優良住宅では住宅ローン控除の限度額や控除率が一般住宅より大きくなります。内容は年度事に異なっています。
所得税の投資型減税
一般住宅から長期優良住宅を建てるたてめかかった費用(上限500万円)の 10%相当額を、その年の所得税額から控除できます。
登録免許税の軽減
所有権の移転登記・保存登記の登録免許税が軽減されます。
不動産取得税の軽減
長期優良住宅の場合の控除額は1300万円となります。一般住宅の控除額は1200万円です。
固定資産税の軽減
固定資産税の軽減期間が戸建なら3年が5年に、マンションなら5年が7年に延長されます。
長期優良住宅を建てるには
建てるのに時間がかかる
長期優良住宅の施工に慣れていない建築会社ですと工期が通常より数週間から1ヶ月ほど長くなる場合があります。また、設計図書の作成にも時間がかかり、建築確認申請から許可までも時間を要します。
申請するのにコストがかかる
一般に住宅を建てる建築確認申請とあわせて長期優良住宅の認定申請書も作成します。認定申請書は添付する図面が多くなりますので申請費用も高くなります。
建てるのにコストがかかる
長期住宅の仕様にすることにより、一般の住宅に比べ建築費用は高くなります。
建てたあともコストがかかる
長期優良住宅の認定基準に、〈維持保全計画〉というものがあります。最低でも10年ごとの点検が必要となりますので費用がかかります。
まとめ
長期優良住宅は長く快適に住めるとてもいい住宅です。
更に、税制優遇も大きく沢山のメリットがある反面、工期がかかったり建築費やメンテナンス費が高くなったりとデメリットもあります。
長期優良住宅の普及の促進に関する法律が施工されて間もなく10年になります。
中古住宅市場にも長期優良住宅が増えてくるかもしれません。果たしてご売却する際に、長期優良住宅だから高く一般住宅よりも高くうれるようになるのでしょうか。
これからまだまだ検証が必要です。
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